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寺田本家 オンラインイベント「発酵の宴」

寺田本家のオンラインイベントに参加しました。

創業340年以上。先代の頃から自然酒造りに取り組み始め、今では原料は全量無農薬米を使用し、一切添加物は使わず、微生物も純粋培養ではなく全て蔵付きの菌で発酵し、唄を唄いながら、出来るだけ機械は使わずに、手造りで微生物と響き合いながらお酒を造る(HPからの抜粋)

独特で複雑な味わいを醸し出す寺田本家の自然酒。

最初に飲んだ時に衝撃を受けました。

こんな日本酒があるのか、、と。

それからファンになり、たまに取り寄せて飲んでいます(お店にも出しています)

なかなかクセのある味で、好き嫌いが分かれます。

先日行われたオンラインイベントには150名ほどが参加。

みなさん、好みの寺田本家のお酒を用意してスタンバイ。

寺田本家の歴史から、お酒造りについて、24代目当主さんが2時間かけて丁寧に説明してくれました。

当主は関西出身。寺田本家で働いていて、そこで今の奥様と出会い、婿養子に入ったとのこと。

寺田本家は、女系のようで、お酒のネーミング「五人娘」も、おばあちゃんを含め女性が5名だったのでその名前がついたとか・・・

五人娘 純米酒 1800ml
自然のまんま 720ml

寺田本家が今のような自然酒造りに変えたのは先代23代目当主さんの病気がきっかけだそうです。

寺田本家が自然に学ぶ酒造りを目指したのは、先代23代目寺田啓佐の病がきっかけでした。
25歳で婿入りした寺田啓佐は生産性や効率重視、原価を下げて利益を得ようとしますが、何をやってもうまく行かず日本酒離れも進む中、経営も危うくなり、ついには病に倒れます。
病床で眠れない夜を過ごすうち、ふと「発酵すると腐らない」ことに気づかされます。
発酵するといつも変化し続けます。そのバランスが崩れると腐敗に向かう。
自らの行動はすべて調和を乱し、蔵の菌のバランスを崩し、会社も自分も腐らせてしまったのだと。この気づきから本物の酒「百薬の長たる酒」、原点回帰の酒造りが始まりました。

それまでは、種麹を専門の麹屋さんから買っていたのですが、それをやめて蔵内にすむ蔵付き麹菌を採取し、自家培養した麹菌を使うようにしたそうです。

お話の中で一番驚いたのは、他の酒蔵さんでは、仕込みの時期は納豆を食べないとか、他の菌が入り込まないように、徹底して管理されているところが多いのに対して、ここは見学もOKですし、納豆もOK。

不思議に思い、質問したところ、

昔は掃除用の藁など、いろんなところに藁があった(納豆菌は藁についている)。

なので、自然にある菌はすべて受け入れる

とのことです。

雑菌が入り込んで腐敗しないのか、という質問もありましたが、それは一度もないそうです。

「発酵すると腐らない」ということですね。

寺田本家のお酒は、米をあまり磨かない(10%~20%くらいしか削らない)のが特徴。

玄米(発芽玄米 むすひ)のお酒もあります(発芽玄米のお酒)

玄米のお酒造りは大変難しいそうです。

玄米だと、なかなか麹菌が入り込まず、通常の2倍の時間がかかるとのこと。

ただ、いったん入ると、玄米は栄養が豊富なので発酵が早く進みすぎるため、お米の溶け具合、乳酸発酵の状態をみて発酵具合の調整が必要だそうです。

発酵が早く進みすぎると、旨みよりもアルコールの強い味になるとのこと。

手間と時間をかけて造っているんですね。

「むすひ」は、腸にとても良くお医者様もおすすめするようなお酒のようです。

ただ、味わいは少しすっぱい感じがし、ほのかにぬかの香りがする独特なお酒。

私はこの味が好きです。

開栓後も味が日々変化します。自然発酵パワーで腸活できるお酒です(笑)

とことん手作りにこだわり、蔵に住み着く微生物にお任せのお酒。

なので、毎回まったく同じお酒ができるわけではない。

逆に言うと、毎年また別の味わいに出会える可能性があるお酒。

環境や、自然、人間のつながりなど、寺田本家さんの関わりが素敵でした。

毎年3月に蔵開きの大きなイベントが開催されており、コロナの影響で今年もやっていませんが、来年こそは是非参加したい!

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